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ガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

キノとブギーポップぐらいしか読んでなかったラノベを読む機会をくれた、9割無料だったやつ。
面白かったと思う順一言。



1.AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~(田中ロミオ)
中二恋とほぼ大筋同じながら、あっちが世界の優しさでスルーしてた、いじめやスクールカーストなんかのリアルな痛みをぐいぐい入れてくるので、読んでて辛くなる。しかし落差があるとラストの盛り上がりが引き締まって見えるし、やっぱり避けて通っちゃいかん道だったのではないか。電波美少女と一緒なら別に疎外されたっていいじゃないかこんなくだらない世界から逃げ出そうと思わせられる。
きつい展開入れると誰得シリアスとか言われるから、商業戦略としては京アニが正しいのも確か。


2.とある飛空士への追憶(犬村小六)
身分違いの恋という古典的題材を徹底した対比で見せる。短い中でも伏線の散りばめ回収が丁寧で、お手本のように綺麗な王道物語。
AURAはほ大勢決するところまで載ってたし、こっちは逃げても解決しない感じだから、残り1割でどう決着つけるつもりなのか一番気になった。処女膜死亡フラグは回収されるんですか!


3.人類は衰退しました(田中ロミオ)
節々にあるちょっとしたやる気ない掛け合いが楽しくて、出来事を追うのに手一杯だった感じのアニメより面白く感じる。
ロミオの造語作りたがる会話のノリはどうも痛々しく見えてしまうんだけど、この作品に関してはその要素がだいたい超常的存在の妖精さんに押し付けられてるから受け入れやすい。


4.ストレンジボイス(江波光則)
暗い! まともな人間と呼べるキャラがいなくて基本的に誰も彼もどこか歪んでるし、希望なんてどこにもない世界だけど、それが心地いい。あんまり人気ないっぽいので私は推しておく。
メンヘラ不健康ゲロインかわいい。


5.下ネタという概念が存在しない退屈な世界(赤城大空)
見るからに出落ちのようで案外そうでもない。
こんなことあるわけねーだろwwwって笑い飛ばすべきな気がするけど、現実の規制の今後を思うと笑えなくてホラーに見える。現代日本の状況がいかに幸せか。だからこそ性への渇望で法を打ち砕こうとするテロリストに感情移入できるとも言える。


6.コップクラフト DRAGNET MIRAGE RELOADED(賀東招二)
ファンタジーでハードボイルド。軍事やら政治やらのちょっとややこしい部分の設定がしっかり練られてると思ったらフルメタの人か。
おっさんとロリBBAの凸凹コンビが少しずつ歩み寄っていく様にときめきを感じる。


7.アイゼンフリューゲル(虚淵 玄)
ファンタジーに対して近代航空力学をもって挑む。科学万歳。退行しようとしてるサイコパスと逆だ。
うろぶっちゃーどされる重い展開も当然のようにあって、読み応えある。廉価版は絵がないし、ラノベとは一体何なのか。口調が軽いぐらい。


8.こうして彼は屋上を燃やすことにした(カミツキレイニー)
自殺志願者が寄り集まってダウナーな雰囲気を作ってるのを見るとやっぱり安心する。
その中で主人公は自殺志願者のわりに前向きすぎる気がするけど、実際失恋自殺ってそんなものかも。死にたいからって死ねば解決するって一言で言える問題でもなく、現実に折り合いつけられるならそれでもいいわけで。思春期の微妙な心加減。


9.オブザデッド・マニアックス(大樹連司)
常識外のことが起こる状況でゾンビ作品的常識がそのまま通用するって、ゾンビものをメタっている割にはひねりがない話だなあと思ったけど、これは「ゾンビに襲われる話」じゃなく、あくまでも「ゾンビに襲われる状況を作ることでルサンチマン溢れる妄想を実現する話」とわかると納得。似てるようで違う主題。
リア充は有能だからこそリア充なので、特殊な状況に置かれたからといって簡単にヒエラルキー逆転はしないとは思う。


10.やむなく覚醒!! 邪神大沼
ジャンルがラブコメとかじゃなくギャグに入るラノベって思ったより少ないんだね。これは安定して面白い。
グールに対するこだわりが謎めいてる。崩れゆく肉体には何が人を惹きつけるものがあるのか。グールメタ作品も出そう。


11.俺、ツインテールになります。(水沢 夢)
自分の好きなもの、理想とするもの、愛して止まないものそれ自体に変身してするオナニーは最高に気持ちいいのではないかということです。
貧乳露出狂の価値を介さない人とは分かり合えない。


12.ささみさん@がんばらない(日日日)
アニメの出来がいいのでそっちでいいと思う。


13.されど罪人は竜と踊る(浅井ラボ)
ファンタジーの中で偏執的に科学考証してたり、厨二病をとことんまで突き詰めた感じ。ここまでいけば価値が出てくる。
あんまり文章がうまくないと思う。どこかのおせっかい焼きさん並みにひたすら設定をキャラに解説させるのは違和感にすぎる。すぎるにすぎる。


14.時間商人(水市 恵)
野球商人。
直近10年を保証するために最後の10年を犠牲にするってこの契約、10年分の老化なんてほとんど目に見えないし、怪我するような無茶をする人でなければそんなに必要ない。実際契約した人も、欲をかいたせいで天罰が下るような笑ゥせぇるすまん的ブラックな事態にも見舞われず、ただ10年停滞して終わるという……とにかく地味だ!
実はオムニバスじゃなく群像劇で、最後に色々回収されたりするのかどうか。


15.その日彼は死なずにすむか?(小木君人)
あんまりにもゲームのルールが不明すぎて、普通につよくてニューゲームしてるだけになってるけど、このゲームに出資して高層ビルの最上階でクククと笑いながら見てる全身黒タイツの人(イメージ)は本当に楽しんでるのだろうか。
なんか精神年齢も一緒に低くなったかのように見せてごまかしてるけど小学4年生に手を出したら犯罪だぞ!


16.うちの魔女しりませんか?(山川 進)
魔法の存在を証明するために魔女を探しに行ったのに、いざ魔女を見つけると今度は存在を隠そうとする。一応表面上の理由はあれど、どうも見つかると闇の組織に連れ去られるからという、主人公が知り得ない情報に基づいた都合に動かされてる感が拭えない。
現象を認めないのは現実主義と言わないと思うし、その他細かい部分が気になる。


17.やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(渡 航)
友達いない難聴の主人公が変な部活で残念美少女とハーレムを無自覚に作るというとても斬新なお話……。そんなコミュ力あって友達いないわけあるか! 
しかしどうもこれが一番人気っぽいという。世の中わからないものですなあ。





ガガガの特色なのか、尖った作品が多くて思ったより楽しめた。
アニメ弾切れって言われてるのもあって、どうしてもアニメ化素材として考えてしまうがどうだろう。

人退・飛空士・ささみはアニメ化済、AURA・はまちアニメ化予定。
変声・屋上・され竜はテーマが暗くて扱いづらそう。
コップはそんなことよりフルメタの続きが求められてそう。
アイゼンはそんなことより虚淵をオリジナルの脚本として使ってるほうが良さそう。 
下ネタは規制への皮肉作品が規制されまくるという更に笑えないことになりそう。
オブザはゾンビっ娘ブームに乗じておけば。
邪神は文字媒体ならではギャグが多い気がする。

そんな中で一番映像化で映える作品は、見た目ギャグと萌えを兼ねそろえたツインテ。ストックさえあれば来そう。
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  1. 2013/02/11(月) 06:28:33|
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最近読んだ小説

感。


ジスカルド・デッドエンド (泉和良)
またニートシリーズ。AMキャラ出てくるし比較的ゲームファン向けではある。
現実に狂信者いっぱい抱えてるから全く正しいんだけど、自分がちやほやされる様子をよく描けるなと思う。私だったら過剰に自己卑下しちゃいそう。皮肉じゃなく純粋にすごい。



ノーストリリア―人類補完機構 (コードウェイナー・スミス)
AMの元ネタ要素満載。むしろAM作品が全部スミスの二次創作作品に思えてくるレベル。
星が買えるレベルの金が動くサンタクララ薬が数百円で買えるとかどんなハイパーデフレだよ。

不老長寿を得た人間の寿命に関する感覚が興味深い。「昔の人間はたった400年ぽっちしか生きられない上に、病気や事故でその寿命さえ全うできない可能性があったなんて信じられない」とか言う。
現代の寿命だってDNAとか医学技術の都合上たまたまこの年数与えられてるだけで、天寿全うしたら幸福、若くして死んだら不幸、って決め付けるのおかしいよね。20年ぐらいで満足して死んでもいいし、80年程度で終わるなんてヤダヤダヤダヤダって思いながら死んでもいいはず。



トップランド 
トップラン&ランド完 (清涼院流水)

ラン6巻で1年だったのに対してランドは1巻1年だから、その年の出来事記述するのに分量取られて相応に密度低い。でも最終巻で色々すっきりした。
秘密屋もそうだったけど、最終巻なしに終わった扱いにしてた作者の正気を疑う。こちとらオチでわけのわからん狂人の戯言のようなことを言い出すのを期待して読んでるというのに。(つまりどっちにしても正気を疑う)



ミザリー (スティーブン・キング)
「巨女」「怪力」「精神異常」は欲張り過ぎだな。2つぐらいがいい。
「キエエエエエ」って叫びながら重症部位を全力で殴りつける場面がピーク。



殺人方程式 〈切断された死体の問題〉(綾辻 行人)
新興宗教の教主が特殊なお祈りスペースで双子入れ替わりとかなんか既視感あると思ったら、割と最近読んだ誰彼と同じだった。どっちも1989年発行で別に示し合わせたわけでもないらしい。私そんなミステリいっぱい読んでないし、この2冊も適当にタイトル買いしただけだよ。偶然ってあるものだな……。



奪取 (真保祐一)
犯罪のノウハウが満載小説。
この偽札作りの描写見るに、準備にかかる資金や労力の莫大さに対して、バレやすさや罰則が大きすぎて全然リスク・リターン釣り合ってないロマン犯罪すぎる。そこまでできる度胸やら知能やらあるなら真っ当な方法で起業したほうがいいだろうと思う。
だからこそある程度方法とか書いて出版しても大丈夫ってことで。



夏への扉 (ロバート・A・ハインライン) 
50年前の世界から想像する50年後(我々にとっての現代)の世界。これはこれで発行当時の読者とは違った読み方できて面白い。
作中でてくる日常生活送るの便利になりそうなものの中に、現代技術で実現できそうでも普及してないものがままある。技術は高速で進化しても、文化は世代交代を待たないとなかなか変わらないものだ。(電子書籍が出るとページをめくる感覚がどうのとかいう)
「そして未来はいずれにしろ過去にまさる。誰がなんと言おうと世界は日に日に良くなりつつあるのだ」「世の中にはいたずらに過去を懐かしがるスノッブどもがいる。(中略)僕はできれば、連中を、トウィッチェル博士のタイムマシンのテスト台にほうりこんで. 十二世紀あたりへぶっとばしてやるといいと思う」はすべての懐古厨に捧げたい文章。

全自動お掃除ロボットは、とりあえず動くものを作るだけなら簡単だろうだけど、例外が発生した時指示を仰ぐという仕様にすると、この世の99%は例外に当たることが問題になると思う。



水車館の殺人 (綾辻行人)
裏表紙に衝撃の結末がーって書いてあって、顔隠してる人がいて、現在と過去を交互に描写してるとなれば……。ever17を先にやったせいだ。
あらすじに結末書いちゃうのは、それによって減じる初見の衝撃よりも、まず興味持ってもらうことのほうがずっと重要ってことだろうね。



鬼獣伝 (菊地 秀行)
「鬼や妖怪なんて銃火器の前では雑魚同然だぜヒャッハアアアアア」って展開は素敵だと思う。
でも最終的に「銃火器とかゴミクズ。神通力最強」になったのでいまいち。



カタコンベ (神山祐右)
やっぱり江戸川乱歩賞受賞作は普通におもしろい以外特に思うところがない。
地底湖ダイブってプロが専用の装備しても危険なんだなあ。



飛行迷宮学園ダンゲロス-『蠍座の名探偵』- (架神恭介)
前作と密度は同じぐらいでページ数相応の満足度かな。前回の結末がなんというかどうしようもなかっただけに、案外ちゃんとタイトル通りにミステリしてるなーと思った。
約束された勝利の力好きだわ。メタ能力は強い。リュウセイさんヘアーは主人公の宿命か……。



蝿の王 (ゴールディング)
ベルゼブブがどうのって話じゃないのか。日本の小説に同タイトルであるみたいだけど。
世代と文化の隔絶もあるし三人称神視点とか超読みにくい。
(`・ω・´) < 狼煙を上げないと絶対に救助されないぞ!
(゜∀。)(゜∀。)(゜∀。) < 狼煙なんてどうでもいい。狩りをするんだ!従わない奴は殺す!焼き殺す!
炎(´;ω;`)炎 < うっ……
⊂二二( ^ω^)二⊃ < 炎が見えたから助けに来たよ
すばらしく皮肉な結末。



イニシエーション・ラブ (乾くるみ)
セックス・浮気・堕胎と単なる非常に俗っぽい恋愛物と見せかけて……
水車と同じく裏表紙に叙述って書いてあるからめちゃくちゃ疑いながら読んだけど、こっちは可能性に思い至らなくてラスト綺麗に決められてしまった。
年代明記せずに昭和を感じさせる物をそこかしこに配置してるのは違和感あったから、もうちょっとそこを考えるべきだったか。時間の区切りを曖昧にされると難しい。



デンデラ (佐藤友哉)
登場人物50人全員女と言うと聞こえはいいけどマリみてのような話ではなく。
とりあえず登場人物紹介のページのインパクトは凄まじいものがある。泥臭い現実的な話のようで、展開やキャラ付けはファンタジックな印象。
ぜひとも作画・漫☆画太郎でコミカライズして欲しい話。



アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (フィリップ・K・ディック)
専用の質疑応答テストを用いてどうにか人間かどうか判別できるアンドロイドと、機械のダイヤルを合わせるだけで強制的に感情を変化させられる生身の人間、一体どちらが自我を持った生物なのか。
ここでは他の生物に感情移入して傷つけることを躊躇するのが人間、というのが結論らしい。人間が人間でなかったり、機械が人間だったりしてしまうような……。



象の背中 (秋元康)
こんなん絶対泣けるだろと思ったけど、意外と泣けなかった。アニメ版のほうが凝縮されててよかった。
余命宣告後に人は何を思うってやりつくされてる感あるから難しいのかも。この作品で一番の特色は浮気に対する考え方か。肯定的というわけでもなく絶対悪というわけでもなく、まあそういうこともあるかという気がする。銀と金の森田は「愛人すら作れないような人間はクソ」とか言ってたな。




BLEACH
[最近読んだ小説]の続きを読む
  1. 2012/09/07(金) 06:01:51|
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小説

買うペースに対して読むペースが遅すぎて積読がエラい事に。実際に積んでみたら私の身長の半分ぐらいあった。
大体全部で15000ページぐらいあるとして、分速2ページで読んで7500分=125時間=5日ちょい。
1週間かからないなんて、意外と少ないな!

……もうちょっとペース上げよう。


最近読んだ気がするような小説の一言感想。
50音順。

悪魔の飽食(森村誠一)
よく考えずに買ったら小説じゃなかった。日本軍がいかに恐ろしい人体実験を行い、そしてそれを隠蔽してきたかみたいなお話を延々。
我々は法治国家に生きる事でモラルを刷り込まれてるから、こういった行為はいかにも非人道的だなあと思えるけれど、ひとたび対象が人間以外の何か(この場合は丸太)と思えば、まさしく人を人とも思わない行為も容易く行えるという事だろうか。確かに、牛の屠殺を直接目にすれば残酷だと思いつつ魚なら平気で捌ける、という一般的な日本人の感覚は、外国人から見て異様に映ったりするらしいし、所詮認識の問題に過ぎないんだろう。


エル 全日本ジャンケントーナメント(清涼院流水)
私は基本的に後半の記述が前半の物語の意味を覆すお話、平たく言えば大どんでん返しって手法が大好きなんだ。この作品はその典型みたいな話だからやはり好き。
そして一番面白かったのは、同じジャンケンをテーマにした作品のカイジに完敗して挫折したってエピソード。うん、限定ジャンケン面白いよね。


彩紋家事件(清涼院流水)
guu.jpg
厳密には偶然違うけど、流石に「???」ってなった。上巻ラストの怒涛の登場人物紹介についていく為に必死で家系図描いた私の努力は何だったのかと。もう面倒だから関係者全員とっつかまえておけば解決不可能でもないんじゃないかと。
しかし肝心の彩紋家殺人事件に関する記述は全900ページ中たった9ページという構成には度肝を抜かれた。このギミックは予想外。
前置きの約900ページも、「奇術師は奇術師以外には決して記述の種を明かしてはならない」と言いつつ、流水自身がこの作品を通して奇術の種をこれでもかというぐらい明かしてるから興味深いよ。これには恐らく人類皆奇術師であれという願いが込められている。のか?


19ボックス 新みすてり創世記(清涼院流水)
一体どんな頭の構造してたらこんなものが書けるんだろうと思った。自分で書いた文を読者が初めて読んだ時に抱く印象なんて、客観的に把握するのは難しいと思うんだけど、そこを操作してエンターテイメントの形に持って行くんだから恐ろしいよ。そろそろ薀蓄の連発で読むのに疲れてるだろう、とかいう風に読者の感覚をやけに的確に指摘してくるのにいつも感心する。
あとは「犯人=読者」なんて馬鹿げた発想が登場してたのがなんか嬉しかった。


十角館の殺人(綾辻行人)
忘れた。名前が重要なんだろうなという気はしてた。推理はしてない。


たったひとつの冴えたやり方(ジェイムズ・ディプトリー・ジュニア)
エウレカの影響で。これは訳者のタイトル付けセンス勝ちだなー。原題に本文中の訳用いたら「星溝」にしかならないし。
結局やり方ってのは脳寄生生物ごと太陽に突っ込む少女の自己犠牲精神か。と書くとありがちに聞こえるけど寄生は脳を傷付ける事無く分子原子間で行われて、終始友好的関係を保っていた所がユニークか。分子間生物なんて物理的に存在し得るのか知らない。


Wドライヴ 院(清涼院流水)
深い意味も無く文の文字数を揃えるテクニックを初めて見た本。京極の文がページを跨がないってのも大概病的だけど、これはそんなの比じゃないぐらいキチガイ染みてる。
19ボックスの再構成である事を思うと、ちょっとあっさりし過ぎて勿体ないかな。


トップラン(清涼院流水)
序盤から中盤の謎のばら撒き方が巧みでぐいぐい引き込まれる。
特に第4話の常時相手の一手先読み合戦のクイズ対決は熱い。そしてパパさんが異常に頼もしい。アカギとかアキヤマとか貘とかともそこそこ渡り合えそうなキャラだ。
ラストで結局歴史オチに落ち着くのは如何ともし難い。M市とかT川とかをほんとにえむしてぃーがわって発音してたらしいのはお約束を逆手に取ってるみたいで面白いけど。


匣の中の失楽(竹本健治)
クソ面白かった。こんなのが私の産まれるずっと前に書かれてたのは驚きだ。今のところ私の中ではジョーカーと並んでトップ。
奇数章と偶数章のどちらが現実でどちらが作中作なのか、どちらとも取れるし、読者としては別にどっちでもいいと思う、という点に登場人物が言及しまくるのに笑う。
あまりにも複雑かつ解釈可能性が多過ぎてもう誰が犯人だとか、真の解決だとか、そんなことはどうでもよくなる現象がここでも発生してた。


秘密室ボン(清涼院流水)
とりあえず前書きに忠実な読み方をしたら、急いで読む→時間までしばらく待つの繰り返しになって、全然集中出来ず困った。寝る直前だからすっごい眠いし。
メフィスト翔ってネーミングが馬鹿馬鹿しくていいよね。


夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)
一時期方々で絶賛されてた気がする。独特の言い回しや文体が小気味良くて面白い。
しかし、そもそも私は恋愛妄想好きでありながら恋愛をメインテーマに据えた作品はあんまり好きになれない人だから、あんまり内容は受け入れられない。萌えを押し付けられると萎えるというか。
まあ思考が古風なのは昭和だからかなーと思ってたら、終盤で携帯電話でてきて驚いたんだけど、これは表紙と文体を用いた叙述トリックだったんだろうか。むしろその辺りをぼかす事で世界をファンタジックにしてる感じなのかな。
ちなみに「辛い」と思えるような辛さは辛い内に入らないからまだまだ大丈夫。


ラッシュライフ(伊坂幸太郎)
忘れた。映像化したら映えそうなエンターテイメントがいっぱい詰まってた、まさに娯楽小説的な群像劇。


流星ワゴン(重松清)
忘れた。お父さんなら心に沁みそうなお話。



もうちょっとあった気はする。
一冊ずつ書こうとすると気が滅入るけど、これぐらいのメモ程度なら楽だから続けようかな。

その前に今は攻殻機動隊を消化中……。士郎ポエムわけわからん。
  1. 2010/01/19(火) 07:00:12|
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コズミック・ジョーカー(清涼院流水)

コズミックとジョーカーは流水大説。なんじゃそりゃ。


私はミステリを読むとき、精々曖昧に予想を持っておく程度で、真剣に推理によって作者と知恵比べをしようとか思う事はほぼ無い。
なぜならその作品のジャンルに拘らず、物語を物語としてしか捉えていないからだ。この限りにおいては、先の展開の予想(推理)はある意味自らネタバレを作成する行為であり、ひたすら無心で読み進める事こそ物語の面白みを最大限享受する方法であると考える。
故にいつも過剰に期待をかけて読んでしまうが、ほぼ全てのミステリは現実レベルでの解決しか見せない。こんなにも意外な犯人が鮮やかなトリックで人を殺してたよーとか言われても、ふーんとしか思わない。そもそも何故謎は殺人方法の中にばかり隠されているのか……。世界の謎はもっと色んなところに潜んでいるぞ。

そんな中、コズミックとジョーカーは通常の予想とは別の次元にある解決を見せてくれた。「あなたを犯人です」を三次元的解決とするなら、コズミックは四次元、ジョーカーは五次元レベルだと言える。
少なくとも私が今まで読んだ小説の中で最高傑作だと思うし、一番好きな作品である事は間違いない。サンプル少ないから大した意味は無いけど。
面白いものを書こうなんてもんじゃなく、作中でも言われてるような四大ミステリの後に続こうという、頂点に立とうとする気概が感じられ、そのチャレンジ精神に触れるだけでも幸せな気分になれる。

読んでる最中は至る場面で笑った。ただし、笑うと言ってもギャグで笑うのとは違い、予想だにしない展開に対して楽しさを覚える事によって笑いが生まれるのだと気付いた。
ギャグの笑いも含んでいるから気付けなかったが、カブトボーグなんかで発生する笑いもこの要素を含んでいたのかも知れない。


JDCの皆さん

探偵の癖に何故か全員必殺技を持ってる。
一向に筋道立てた論理的思考などしやがらず、突然領域の外から訪れる天啓とか勘とかで真相に至ってしまう。良くて何の意味もなさそうな言葉遊びが関の山。
「食らうがいい……『絶対に解けない密室の謎!』」
「甘いな……『理路乱歩(りろらんぽ)!』血流増加により脳は活性化する!」
「殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺!!!」
「トコトコトコトコトコトコトコトコトコトコ!!!!」
(ドッギャーン!)
イメージとしてはそんな感じの展開。どんなミステリだ。

そしてピラミッド構造の第1班~第7班やら、A~Kに加えて世界に7人のS探偵やら、推理力の数値化序列化は否応無しに燃える。幽白かよ。第1班の凄まじい存在感を放つ探偵の推理力の大きさ描写(非推理描写)だけご飯3杯。

・鴉城蒼司
才能よりも経験が物を言ってる国内最強探偵。
警察に加えて巨大探偵組織のJDCが存在する中で、電話による安楽椅子探偵は一日休む事すら許されない状態だわ、第1班の探偵が日本各地で凶悪事件の捜査に奮闘してる状態だわ、明らかに現実世界とは犯罪の量も質も桁違いのこの世界怖い。計画殺人だけで人類滅亡しそう。

・九十九十九
事件を推理小説に見立てた場合の作者の視点から事件に言及出来る探偵神いわゆるゴッドオヴディティクティヴ。「5ページ前からいました」なんかの言動からして、単なる天啓授かってる人ではなく、ガチのメタ探偵らしい。
目下神風特攻中の大の男が素顔を見ただけで失神、ブラウン管越しの美し過ぎる会釈で16万人が失神など、その美貌はほとんどギャグの域。

・龍宮城之介
言葉遊び人。ぶっちゃけこの人の推理はほぼ全て単なるこじ付けで意味なんて無い。
言葉遊び大好きな作者の分身は、濁暑院溜水じゃなくむしろこっちなんじゃないかと思える。

・霧華舞衣
「ありえないものを除去して残ったものは、どんなにありえそうに無いことでも真実に違いない」って言葉に基いているみたいだが、消去推理は難しいを超えて無理があると思う。真相を候補に上げるのが推理の目的な訳で、候補の中に真相を含められる時点で消去などほぼ必要の無いステップでしかなくなる。極端な話常にトンネル効果に辿り着きかねない。
結局全ての可能性を上げたと確信出来る後期クイーン問題無視のメタ視点があるからこそ成立する推理なんだろう。

・氷姫宮幽弥
指貫グローヴ……。流行に乗り遅れたファッションがオタファッションだから、流行に敏感な人を未来から見るとそう見えるのは仕方ないが、なんか不憫だ。
文章中の名前の出現回数ランキングと平均出現回数ランキングでともに19位だった人りうことに超越的な力が働いているとか言い出した時は気でも違ってるのかと思った。未だに意味が分からない。

・天城漂馬
劣化九十九十九。発動確率が低い。

・九十九音無
劣化九十九十九。発動するけど分かりにくい。

・ピラミッド水野
名前がどっからやってきたのかが一番の謎。九冬刑事の名前が珍しいと言われる中、JDCの人々だけこのようなDQNネーム連打なのに誰にも触れないのは何か意味があるのかと思ったけど、別に無いらしい。
この人の事件は総代が絡んでいる以上、時間的制約がかなり厳しそうなんだが……。


コズミック

あとから考えると流の部分の無意味さと言ったら無いが、まるで意味があるかのように見せかけること自体には意味がある。作中作である事を公言している以上、厳密には何の問題もなくフェアだろう。

絶対不可能殺人描写の連続は、回を重ねるごとに真相に対する期待が高まり、またあらゆる殺人に実現可能性を見出せるという作者の自信も感じられて、読んでて楽しかった。この時点では全部同種の事件に見えて実は個別トリックが違うぐらいしか解決の手段が想像出来なかった。

JDCの人々わいわいがやがや推理する傍ら、淡々と人が死に続ける様はいっそシュール。一瞬でも目を放せば密室と見做されて殺されるのだから、回避手段は屋外かつ集団でお互いを見詰め続ける事ぐらいしか思い当たらない。しかしそれでも全員が瞬きした瞬間に人が死んでそうだからやっぱりやっぱり回避不可能に思える。
真相からすればそんな事を考える人は端から安全圏にいたわけだけど。しかし7万人の信者数をもってしてもコンサート会場やら野球場を占拠するのは難しくないか。

ジョーカーの教訓からしても犯人が誰であるのかはすごくどうでもいい。ラストのM→H→Sの変遷はなんだあれ。どうも困った時は数百年前からの因縁にしておけみたいな空気を感じるが、あんまり歴史に興味ない人間からすると、それだけですげーなんて思えない。もうS=作者=清涼院流水でいいよ。


ジョーカー

執拗に繰り返される、物語が虚構で登場人物がそれに半ば気付いているような描写。
通常のミステリに必ずと言って良いほど出て来る「推理小説じゃないんだから」みたいな表現は、見かけるたび、現実じゃないんだからめったなこと言うもんじゃないと思っていたけれど、ここまで露骨にアンチミステリだかメタミステリをテーマにしていると、むしろ当然の表現に思える。だって実際虚構なんだから。
残りページ数で今から事件解決するかどうかわかるだろ? とか言い始めるのもすごい笑った。
登場人物(濁暑院)が書いている作中作を読んでいるという前提がある以上、知りえない情報を描写していたら矛盾なのではないかとか、その場合伝聞や想像や代筆で矛盾は解決出来るのかとか、そもそも嘘を書いて読者を欺こうとしているのかとか、疑念は絶えず、文章の持つ意味が非常に大きい。

このメタ強調により、絶対に辿り着けない真相はとりあえず読者=犯人と予想しておいた。幸い「僕」が「君」に語りかける形で物語に登場してるし、お前が読むからこいつらは死んだんだ、みたいな感じで。ほぼ考える事放棄してるだけだけど。

そしてそんなくだらない予想の遥か斜め上を行くこのオチが大好き。さんざどんでん返しに次ぐどんでん返しで翻弄した上で、そもそもミステリってなんなんだと思わせるような超越的かつ人を馬鹿にするにも程がある解決。読了後十数分ぐらい笑いが止まらなかった。
一応魅山犯人説ではそれなりに納得したのにこれ。作中でも言われているが、ここまで結末が二転三転し続け、登場人物の中で犯人扱いされた人間よりされてない人間の方が少ないような状態にまで陥ると、もはやあっと驚く意外な犯人など存在せず、誰が犯人でももうどうでもいいよ状態になることが分かった。その時点の推理での整合性とか考える気力なんて微塵も発生しない。

鎧の密室は直感的に絶対不可能密室殺人だと思ったらほんとに解かれないままだった。
コズミックのスカイダイビング密室とか子宮内密室でも同じ印象を受けたことから、こちらの「そもそも記述が嘘であれば良い」という不可能を可能にする方法論を適用してみる。
こっちも濁暑院の文なのでその点は問題無いが、この場合登場人物全員が仕掛け人である必要もあり、非作中作部分で心理描写の描かれてるJDCの人々も絡んでいる以上、非常に苦しい。
いや、そもそもジョーカーは全部嘘で、華没が誰にも読まれてなければ問題は無いのか。1500P超の話の75%ぐらいまで嘘八百とか、そこまで無茶苦茶でいいんだろうか。
これだと幻影城殺人事件が密室連続殺人に入ってなかったのがまた謎だし、コズミックオチを引っ張り続けるのもどうかってところ。
あんまり現実的な解決を求めるのも無粋な気がする。

作中直接書名が登場する本の他、ミステリ名作のオマージュは大量に含まれてそうなので、それを楽しむ為にももうちょっと本読みたい。
まずはドグラマグラしか読んで無いから四大ミステリからか。あれは3大奇書と言う割には普通にミステリとして楽しめたから、他のもそんなに身構えるべきものでもないと思って良いのかな。古文は斜め読みだったけどな。


読む順番

清涼in流水の読み方に意味があるらしいが、さっぱり分からない。
コズミック流:濁暑院著・1200年密室伝説第4部(~1993年10月24日執筆)
ジョーカー清涼:濁暑院著・華麗なる没落の為に(1993年10月25日~1993年10月31日執筆)
コズミック水:密室連続殺人事件の20件目以降(1994年1月7日~の非劇中作)
で、一応時系列は正しくなるが、だからと言ってそれがどういった効果を生んでいるのか……。
割とバラバラに読んでも時系列整理は勝手に脳内でされてしまうから、読む順番で読後感を大きく変えるってのは難しいんじゃないかな。螽斯と蒼也のくだりを楽しむ為に、ジョーカー→コズミック水でさえあれば、別に意味は変わらないのでは。



あと言葉遊び大好き的に考えてまだサブタイとかに暗号が隠されてるんじゃないかとか、まだ何かありそうな気はする。
もう分からないことだらけだから他の作品で傾向を掴んでからもうちょっと考えるべきか。
とりあえず商魂逞しくも作中で盛大に宣伝されてるカーニバルと彩紋家事件と、公式二次創作ってどうなんだと思ってたらオススメされてたから九十九十九は買った。安かったから全部新書版。カーニバルは文庫版で大幅改稿あるみたいだからそれもいずれは……。
でもそれ以前に買った積読がまだ溢れ返ってるからだいぶ後回しになりそう。
  1. 2009/07/18(土) 23:15:40|
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ハサミ男(殊能将之)

犯人はヤスだし、猿の惑星は地球だし、コナン=新一だし、ハサミ男は女です。
  1. 2009/07/17(金) 03:15:43|
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痩せゆく男(R・バックマン実はS・キング)

1ポンドは約0.45kgです。

目次
第1章 246
第2章 245
第4章 227
第5章 221
第6章 217
第9章 188
第10章 179
第13章 172
第14章 156
第17章 137
第20章 118
第25章 122
第26章 127

ネタバレ死ねよ……。
  1. 2009/06/26(金) 22:36:08|
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鼠と竜のゲーム(コードウェイナー・スミス)

無論じすちの影響で。

鼠と竜のゲームはSF短編集。
と言ってもそれぞれの話は人類補完機構シリーズの一部であり、同世界の別時代、別地域の物語を描いているので完全に独立した短編ではない。
人類補完計画の元ネタらしい。

魅力はなんと言っても奇想天外な発想。意味不明ですらある世界観の設定やら、無駄にと修飾したくなるようなスケールの大きさやら。つくづくSFって中二病なんじゃないかと思う。
詳らかには語られない謎に満ちた中で、想像を絶する世界の片鱗に触れるのは楽しい。

アンディーメンテに出てくる人や物の設定も、ここから取られているものが多く存在するので、パラレルワールドを見ているような不思議な気分になる。
そもそもアンディーメンテの世界観を把握出来てないので全部は拾えないが、元ネタになってるっぽいのまとめ。
スキャナー最長老ヴォマクト → 黄金王ヴォマクト
星ぼしはおれの敵だ、とマーテルは思った。 →小説「星ぼしはオレの敵だ、星がわたしの夫なんです
燃える脳 → 精霊値倍化アイテム
ノーストリリア(ノースオーストラリア) → 古代文明ノーストリリア
長寿薬サンタクララ → 戦闘不能治療アイテム
猫人 → ルインとか
スズダル中佐 → スズタル艦長
ク・メル → C・メル (CはcatのCらしい)

以下はそれぞれの話についてひとことぐらい感想。


スキャナーに生きがいはない
生身の人間では謎の<一次効果>により耐えられない場所<空のむこう>での労働を可能にする為に、知覚ひいては人間である事すら放棄した人・スキャナー。外界の情報は謎メーターによって把握し、謎ダイヤルによって肉体を制御する。格好良い。MOTHER2のラストを思い出す。
なんでも機械化していったら人間の仕事なくなっちゃうよという問題に通じてる。多分そんな事はない。

星の海に魂の帆をかけた女
星間ロマンス。マユリ様のアレとは逆に、客観時間で40年を主観時間たった1ヶ月で消費してでも男に会いに行く女。この場合本人にとって1ヶ月は相対性理論的に1ヶ月というわけでなく、実際に40年歳を取る。この頃の平均寿命は160年なので人生の大半というわけではないが、それでもその覚悟は凄まじいものがある。

鼠と竜のゲーム
1500000kmを2msecで移動して死を齎す竜(物理的に竜じゃないが)という恐ろしい存在も猫にかかれば鼠同然という、スミスの猫厨振りが窺える。人間なんかより絶対的に最高に猫の方が可愛いらしい。
その影響が回りまわってこんなブログのTOP絵にまで。いやあれは犬だけど。

燃える脳
外見の美しさによって人が惹き付けられることに疑問を持ち、本質的な美を見出す為に若返りを拒否する女。整形によって人生が変わるのなら美とは一体何なんだみたいな話。
その夫タリアーノ船長が、未来の航行技術の粋を集めた船の制御装置に匹敵する脳を燃焼させることによって、ひどい偶然の積み重なった事故から人々を救う様に痺れる。

スズタル中佐の犯罪と栄光
女自体が発癌性を持ったために、男だけの世界が完成。男が男を産むだけの世界とか嫌過ぎる。
スズタル中佐の危機を救うのはやっぱり猫。1秒足らずで200万年分の高度な文明を作り上げた猫。どんだけ猫好きなの。

黄金の船が――おお! おお! おお!
地球の危機を救うのは全長150000000kmの黄金の船。でもひたすらにでかいだけで何も出来ずただハッタリを効かす為だけに存在する。人類史上最大の張子の虎。デコイ。案山子。
なんだろうこの馬鹿さ加減は。すごく正しいと思う。

ママ・ヒットンのかわゆいキットンたち
ノーストリリア人の情報隠匿に関する警備体制は一部の隙もなく、殆ど狂気の領域。電波電波。一盗賊にどうにかできるレベルを遥かに超えている。もうやめてあげて。

アルファ・ラルファ大通り
人類補完機構によって完膚なきまでに完璧に完全に完成された世界。経済の概念など、現代の常識が何もかも失われて、ただお膳立てされた人生を歩む人々は滑稽に映る。
そんな中でも補完機構の外にある物を求め、幸福を模索する男女の様子には心温まるものが合った。



なんか読んでたら久々にRSがやりたくなってきた!
  1. 2009/06/22(月) 00:42:04|
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フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人(佐藤友哉)

脈絡もなしに自慢すると、センター現代文は98点でした。純文学の意味は大抵理解出来ません。


フリッカー式は中二病の感漂うミステリ。これもメフィスト賞。

主観的判断だし抜けもあると思うけど、

主人公が好意的に捉えているもの
・佐奈
・ギター
・洋楽(他人が聞くのは嫌がる)
・冬子
・シルバーのメルセデス
・唯香

主人公が嫌悪・批判的に捉えているもの
・デブ
・不安定な場所
・幽霊病院への人々の対応
・マニュアル車
・感情や人格を書き換えられない馬鹿
・痴漢
・チョコミント以外のアイス
・女の声
・老いぼれ僧侶
・突き刺しジャック
・オタク
・泣く事による解決
・怯えた女

と、嫌いなものによる自己主張が好きなものの2倍程度に及んでいる。至るところで物事に対して斜に構える様子には悲しみを覚えずにはられなかった。
これは一口に中二病と言っても口当たり良く格好良いものばかりでなく、負の面を大いに含んでいるという、中二病の齎した功罪をありのままに描いているのだろうか。
いや、自分を特別視し社会を穿つ姿勢が中二病であって、世間一般においてはこれが正しい姿か。無駄に格好付けたファンタジックな妄想は邪気眼として区別されている節があるし。

この中で興味の大半が女絡みなのは見ていて辛い部分。性欲と中二は相容れない要素だと思ってるんだけど、ずれてるんだろうか。
のっけからヒロインの可愛さ描写や身内崇拝に走った時点で、かなり拒絶反応を示してしまう。主人公がオタクを見下すキャラな割には、作品自体からはオタク的な雰囲気が滲み出てるように思うんだ。これに関しては彼女が早々に退場してくれたのでかなり救われた。

復讐が当人に対してでなく、彼らの娘を誘拐するという手段によって行われて、その理由について主人公はひたすらに目を背け続ける。これについては、レイパーには死すら生温いという思考に基き、好きでやってるんじゃないと主張するだけで、それなりに体裁は取り繕えるわけで、ならばそれは意図的に行われているはず。
ここは物語の重要なファクターだろうと思ってたのに、オチで種明かしされると「俺は踊らされていたのか!」って驚いてた。そこ気付いてなかったのかよっ。
狂ってるとか壊れてるとか言えば聞こえは良いけど、単に目の前にデータがあったから自分で思考せずに流されただけで、下衆としか言いようが無いような……。
加えて事件の根底に流れるものがいき過ぎた処女崇拝だった点でも、単純に嫌悪感が先立ってしまったしなー。うーん。

その辺を除いて、そこそこに驚愕の事実が次々に明らかになっていくラストはいかにも現代ミステリ的で、予定調和ながらも満足感はあった。

文体としては、純粋に格好良いと思う部分と、鬱陶しいと思う部分が6:4ぐらいで混在してる。どちらかと言えば好きな方。例えば西尾維新だと割合が逆転する感じ。
中二はストーリー性の中で発揮してくれれば良いので、日常的にくどくどとセンスを主張するのは余り好まない。スカした表現はここぞという時に使っているからこそ痺れるものだと思う。


そんなに嫌いじゃないんだけどなんか批判的感想だ。
まあいいや。別作品に期待することにする。
  1. 2009/06/17(水) 01:25:39|
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六枚のとんかつ(蘇部健一)

もうランダムセレクトは中止しよう。
私の求めるものはだいたいメフィスト賞の中にあるんだろうと思った次第。

六枚のとんかつはアホでバカで下品なミステリ。
基本的にはほぼゴミクズと言って差し支えない。ただこれが賞を獲得して物議を醸した事には意味があると思う。逆説的だが、価値あるものに賞が与えられたのでなく、賞を与える事によって価値が生まれた感じ。

私は「くだらねええええ」ってタイプのギャグが結構好きなんだけれど、その「くだらなさ」の中にも美学と呼べるものがあって、それがこの作品には今一つ不足していると感じる。
全体的に真面目な部分とふざけた部分が混在していて、むしろ真面目なミステリのギミックのお粗末さに対する言い訳としてバカミステリであることが用いられているところが大きい。
やるならもっと徹底して馬鹿であるべきなのに、突き抜け感が足りてないんだ。

とは言ってももちろん、その中には普通にクスリとできるネタや感心させられるトリックもあった。
以下区切りがあって書きやすいから一応順を追ってひとことずつ。

FILENo.1 音の気がかり
なんで空耳アワー前提なんだ。確かにこれは名作だと思うけど対象狭いな。
あとバックします=ガッツ石松は投稿特ホウ王国で扱われてた覚えがある。どこが特報なんだろうか。

FILENo.2 桂男爵の舞踏会
姑獲鳥を20分の1ぐらいに圧縮したようなお話…なのか? 灯台下暗しトリックが好きらしいね。

FILENo.3 黄金
宝石店から盗んだ金を宝石店に隠す=盗んでないのと同じ、はちょっと面白かった。
金庫自体が金ってトリックは好きだけどなー。通過点なのにそこに辿り着くまでの描写がひたすらにくどく感じた。真のオチだとまた回収に行かなきゃいけないリスクあるじゃないかとか、別に頭に落下しなかったら解決しなかった訳でもないと思う。
盗たんだものを隠し通したまま刑期を終えたら、罪を償っている以上、回収した時に問われるのは占有離脱物横領罪になるのかな。それを敢えて警察に届けて持ち主が現れた時、1割を請求する権利が得られるのかどうか気になる。

FILENo.4 エースの誇り
体重計って勢い良く乗れば20kg位ぶらせるんじゃないかと思ったが、実際やってみたら高速で動く文字盤の文字なんて読み取れなくてよくわからなかった。

FILENo.5 見えない証拠
海岸には見慣れすぎて誰も気にも留めないレベルでコンドームが落ちてるなんて初めて聞いたわ。一体夜の海岸では何が行われているんだぜ。

FILENo.6 しおかぜ⑰号四十九分の壁
アイディアは面白いんだけど、この地図を見て誰が四国だと思うんだろうか……。まさか四国の端から橋まで5時間で到達出来ないなんてのも夢にも思わないし。
この話に意図通りに騙されようと思ったら、まずオーストラリアの形と四国の形を曖昧にしか知らず、なおかつ四国の鉄道事情に精通しているという無茶な前提が必要になるはず。そんな人いるのか……? もうちょっと地図が適当だったらよかったのかな。
それにしても時刻表が読めない私にとっては頭が痛くなる話だ。トラベルミステリってこんなのなのか。

FILENo.7 オナニー連盟
バカミステリという本作のテーマに最も迎合するお話だと思う。これを削るとか何考えてんだ。それだけで作品の持つパワーは4割ぐらい減衰してるよ。
主人公バカだなーと純粋に笑える。このコピペを思い出した。

FILENo.8 丸の内線七十秒の壁
東京怖いと思った。東淀川~新大阪間の比じゃないんだろうなー。
と思って調べてみたけど、googleマップ上ではどっちも400mぐらいに見えた。駅間最短はこの佐世保中央~中佐世保駅間で200mぐらいらしい。

FILENo.9 欠けているもの
分かったけど、だからなんだという気はする。
両腕不在は想像を促す作者の意図じゃなくて、単に発見されてないだけなんだってね。芸術って往々にしてそういうところがある。

FILENo.10 鏡の向こう側
最後の絵の意味するところがよく分からない。コアラと同じフォーマットで描いてくれても良いじゃない。

FILENo.11 消えた黒いドレスの女
女装癖だと思ってたよ。嫁を燃やすなんてとんでもない。
腹の下で死ぬのも腹上死じゃないのかな。

FILENo.12,13 五枚のとんかつ・六枚のとんかつ
タイトルになってるだけあって面白い。みんなから誤差の範囲で少しずつ貰えば一人を幸せに出来るっていう、宝くじの時にしたのと似たような話。
けっこう現実世界でも応用効くんだよね。紙幣で同じことをやれば、3分の2以上残ってる場合新品と交換してもらえるから……。犯罪だし無理だろうけど。

FILENo.14 「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」を読んだ男
鰻の串は静摩擦係数>動摩擦係数って話で、大きさ的につっかえてる場合には適応出来なさそう。というか引っ張らずに押すべきだと思うよ。また出れなくなる未来が見えている以上、明らかな悪意を感じる。

最後のエピローグ
このネタ相当気に入ってるな。

ボーナストラック 保険調査員の長い一日
全体にも言えるけど、推理クイズブック臭が強い。
  1. 2009/06/16(火) 08:17:19|
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記憶の中の殺人(内田康夫)

内田康夫を読もうと思ってタイトルだけ見て選んだ結果。「(場所名)殺人事件」ほど惹かれないタイトルは無いと思う。実質的に内容に触れて欲しい。

しかしやっぱりチョイスで失敗している気がする。
シリーズの過去の事件を前提にしているような部分があったり。
記憶が現実の事件のありようを変容させるとか、メタレベルで語られる話を想像していたのに、単に忘れてた過去の事件がヒントになるってだけの話だったり。当たり前か。
なんだか事件自体に焦点が定まらず、散漫な愚痴っぽい印象を受けると思ったら、実際「雑記帳」が自然と小説に変化したという形で成立した作品だったり。私は典型的な選挙に行かない最近の若者だから年寄りの説教染みた政治経済の話とか興味が持てないんだ。住民票が手元に無いだけだけど。
作中に作者自身を登場させて、シニカルなセンスに溢れてるようなキャラに仕立てているのも少し受け入れ難い。

どうも否定的な視点に立ち過ぎているような気がするなー。
なんだろう、適当に手に取った本が悉くすっごい面白いと感じられるような作品だったら、必然的に世の中のほぼ全ての本が読むべき対象になって、絶対に処理能力が追いつかなくなるから、その事態に対する感性の防衛本能が働いているような感じ。我ながらネガティブだ。
でもこのネガティブの壁をぶち破ってでも面白いと感じさせてくれるような作品にこそ出会いたいから、この読み方は間違っていないはずだ。同時にそういう作品がそれなりの数存在していると信じている。


どんどん真面目に書く気がなくなっていってるけど、いつの間にか二桁達成してカテゴリのバランスが取れ始めた気がするからもう十分じゃないかと思うよ。

  1. 2009/06/15(月) 01:14:21|
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