2週間弱でバウント編(第64話~第109話)見たよ。アホか。
結論から言うと、とんでもなくつまらない。とにかく当たり障りない感じで作りましたという感じしか伝わってこない。
テレ東が黒歴史にしたくなる気持ちも分かる。今月曜17:30からBLEACHの再放送が行われてるんだけど、ベストセレクションと称してバウント編だけすっ飛ばされてるんだよね。
だから序盤をもっとゆっくりやっておけとあれほど…。
さてどのあたりが問題なのかを軽く分析してみよう。
・バトル概論
原作BLEACHのバトルというものは、基本的に奥の手の応酬によって成り立ち、先んじて全力を出した方の敗北が決定する。このバトルは以下のようなコピペで揶揄される。
A「これが私の本気です」
B「私はその倍強いです」
A「実は実力を隠してました」
B「私もまだ本気ではありません」
A「体に反動が来ますが飛躍的にパワーアップする術を使わせていただきます」
B「ならば私も拘束具を外します」
A「秘められた力が覚醒しました」
B「私は特殊な種族の血を引いており、ピンチになるとその血が力をもたらします」
A「覚悟によって過去を断ち切ることで無意識に押さえ込んでいた力が解放されます」
B「愛する人の想いが私を立ち上がらせます」
ここには戦略とか戦術と言ったものは存在せず、あるのはただ外連味のみである。はっきり言ってこの時点であまり面白いものではないが、それで格好良いとか思えるのであれば、そういう漫画もあっていいとは思う。
問題は、アニメオリジナルにおいては既存のキャラに新技などを使わせるわけにはいかず、視聴者の意表を突くその外連さえも表現出来ないというところにある。
かと言ってオリジナルキャラを活躍させたところでそれは最早BLEACHではなくなるわけで、この制限下でBLEACHのバトルを表現するなど不可能と言って良い。
具体的には、一般レベルの死神が使用可能な破道が、この時点では”白雷””赤火砲””蒼火墜”の3種類しかなく、みんな寄って集って鬼道と言えばこの3つだけを使用するという非常に味気ないバトルしか出来ていなかった、という具合。
更に原作で始解していない死神(檜佐木)などは、当然出来るはずの始解すら出来ない為に、出てきてもほぼ活躍の余地が無いという酷い有様である。
あともう少し圧倒的な力で瞬殺、という展開があっても良かった。敵の戦略に対して順当に苦戦し過ぎて爽快感が無い。
・オブラートに包んで言えばオマージュ
これは私の主観の域を出ないが、「敵の能力の恐ろしさを伝える為に、味方が主人公に対して”こちらの力を最小限に抑えてあちらの力を最大限に発揮する”仮想敵をけしかけてくる」という展開は、どう考えても幽遊白書としか思えない。敵が変身能力で味方になりすますとか。どっちもスタジオぴえろなのは偶然か。
電話でおちょくるのはダイハード。
・根拠の曖昧さ
「ビビってたから偽者」「3部屋真っ直ぐ移動が正解」「卍解に頼ってたから卍解出来ない」「空間移動能力のパワーの優劣」「雀蜂なら毒を中和出来る」「滅却師の矢は心で撃つ」「実験失敗したらなんかバウント出来た」
勝敗の決定要因などの重要な要素が、全体的に曖昧模糊としていて納得しかねる。
・改造魂魄
尖兵計画で問題になっていたのは死体を使用するのが非道徳的だということで、生命を人工的に生み出すことは義魂丸で普通に行われているからこれはありなのか。微妙な気持ちになる。
今回登場して主人公勢に味方として加わったのが
りりん:幻覚を見せる
蔵人:人の外見・能力をコピーする
乃芭:空間を移動する
の3人なのだが、辛うじてバトルでの応用が利きそうなのが乃芭ぐらいで、他二人はどう考えてもチート過ぎる為に戦闘にほぼ参加出来ていなかった。
幻覚見せるなんてその時点で勝負決するレベルの能力であるし、コピーも敵のボスコピーしろよって話になってしまう。
・バウント
敵勢力の約半分ぐらいが仲間割れによる自滅というのはある意味原作準拠…なのか。
仲間さえも目的達成の為の駒としか考えないボスがラストに突然負けることを最初から覚悟していたんだとか言われても困る。どういう考えに基づいて行動していたのか結局のところ全て視聴者に投げた形に。いくらなんでもひどい。
文句ばっかりでもアレなので一応見所も
・ルキア関連
個人的にルキアが画面に映ってるだけで満足出来るレベルの信者フィルター掛かってるので、一般的な意見としては絶対に参考にならないが
70話 再会。無性に喜ぶ井上と石田手作りの服と180度大絶壁と称される貧乳ネタ。15度ぐらいはあるよ!
72話 寝てる石田を挟んで一護と二人きりになり、突然礼を言うルキアを一護が気持ち悪がって喧嘩。ちょっとあざといがお前ら青春し過ぎです。
92話 普段の何気無い阿吽の呼吸会話を「恋人じゃないんだから」とりりんに嫉妬される。確かにむしろ主人公勢全員無頓着過ぎるとも言える。
93話 細腕に腋に横乳に、終いには刀で着物の襟を開こうとする敵。これエロアニメ以外の何物でもないぞ。
109話 別れ。廻転している―の番外編再現を含んでいるのでオサレ過ぎる。原作ファン的には唯一の見所回か。
・十一番隊関連
バウントの中にあって死神という異彩を放つ一之瀬真樹。剣八に殺された十一番隊全隊長を慕っていたということで原作との関係も深い為、それなりに興味深く見れた。
98話の剣八とのバトルは他のバトルに比べれば剣八のキャラを掴んでいたし、かなりBLEACH的なバトルに仕上がっていたと思う。
惜しむらくはその前隊長の姿はおろか名前すらも出せない所為で、深く立ち入った回想が出来なかった点だ。結局は原作の範囲を超えられないという問題に帰着してしまう。
これ作者に許可取ってこのエピソード中心にオリジナル編作ってたらもう少しましになったんじゃないかなー。
ただやちるが「責任感じちゃうよね」とか真面目な話をしているのは確実にキャラ崩壊だ。
・オリジナルギャグ
全体的に微妙なものも多かったが、80話の完全ギャグ回は馬鹿馬鹿しさがいっそ清々しいくらいに突き抜けていたので評価すべきだと思う。「脚本家、あなた疲れているのよ」と言いたい。
そんなわけでうん。忍☆忍の予習だと思っておく。
個人的にはベッセレと同じで原作話だけをアフレコしてもいいと思うんだけど、そういうわけにもいくまい。
- 2009/02/06(金) 00:10:43|
- アニメBLEACH
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