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既に1年の4分の1が過ぎ去ったなど嘘に決まっている。この虚飾に塗れた狂気の世界をぶち壊しに行こう

今まで黙っていたが、実のところ私は現在浪人中の受験生である。

私はそれまで挫折という挫折を味わった例が無く、順風満帆にレールに沿った人生を歩んできた。故に受験という魔物の恐ろしさを理解しようともせず、ただ楽観的に今度もどうにかなるだろうという思いを抱いてた。しかしそれは低きへと流れた意志薄弱の人間に牙を剥く。正確無比に、残酷非道に。

私は合格発表の掲示板の前に慄然として立ち尽くした。
実際に試験において惨憺たる答案を作成した事を自覚しながら、未だ心のどこかでは、何事も無かったかのように危機は過ぎ去り、用意された成功への歩みをまた一つ進めると妄信していた。にも拘らず、そこには自分自身を表す数桁の番号が記載されていない。紙の上に印字が為されていない。植物性繊維の表面にインクの分子が付着していない。ただそれだけの事実に私の心は絡め取られ、堅く鎖された。
何度も、何度も、何かの間違いではないかと確認した後、周囲の人間とは1ミリ秒たりとも目を合わすことなくその場を去った。知り合いが居るかもしれないが、その人間に対して、どんな表情、どんな言葉で向き合えば良いのか全く分からなかったのだ。
そのまま、合格不合格に拘らず直ぐに報告に向かう、という恩師との約束すら反故にして、トイレに篭った。何も考えず、何も思わず、およそ1時間ほど忘我の境地で時が過ぎるのを待った。しかし時が事実を捻じ曲げる事など有り得なかった。この世の全ては一匹の蝶が見ている夢に過ぎないとも考えたが、その妄想が現実になる事もなかった。

私は1年を棒に振った。覆水盆に返らず、時間の不可逆性が維持されている限り、その事実は私の身体に重く圧し掛かり続ける。
私に出来る事はこれ以上の事態の悪化を防止すること以外に存在しない。幸いにも1年はまだ取り返しが効く。だがそれが2年に延長されればそう簡単な話ではなくなってくる。
もう二度と同じ過ちは犯してはならない。退路を絶たれた人間の、内に秘めた真なる力を発揮すべきは、今この時を以って他に無い。

―今度こそは、必ず。
私は深く心に誓った。
  1. 2009/04/01(水) 04:52:03|
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