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鼠と竜のゲーム(コードウェイナー・スミス)

無論じすちの影響で。

鼠と竜のゲームはSF短編集。
と言ってもそれぞれの話は人類補完機構シリーズの一部であり、同世界の別時代、別地域の物語を描いているので完全に独立した短編ではない。
人類補完計画の元ネタらしい。

魅力はなんと言っても奇想天外な発想。意味不明ですらある世界観の設定やら、無駄にと修飾したくなるようなスケールの大きさやら。つくづくSFって中二病なんじゃないかと思う。
詳らかには語られない謎に満ちた中で、想像を絶する世界の片鱗に触れるのは楽しい。

アンディーメンテに出てくる人や物の設定も、ここから取られているものが多く存在するので、パラレルワールドを見ているような不思議な気分になる。
そもそもアンディーメンテの世界観を把握出来てないので全部は拾えないが、元ネタになってるっぽいのまとめ。
スキャナー最長老ヴォマクト → 黄金王ヴォマクト
星ぼしはおれの敵だ、とマーテルは思った。 →小説「星ぼしはオレの敵だ、星がわたしの夫なんです
燃える脳 → 精霊値倍化アイテム
ノーストリリア(ノースオーストラリア) → 古代文明ノーストリリア
長寿薬サンタクララ → 戦闘不能治療アイテム
猫人 → ルインとか
スズダル中佐 → スズタル艦長
ク・メル → C・メル (CはcatのCらしい)

以下はそれぞれの話についてひとことぐらい感想。


スキャナーに生きがいはない
生身の人間では謎の<一次効果>により耐えられない場所<空のむこう>での労働を可能にする為に、知覚ひいては人間である事すら放棄した人・スキャナー。外界の情報は謎メーターによって把握し、謎ダイヤルによって肉体を制御する。格好良い。MOTHER2のラストを思い出す。
なんでも機械化していったら人間の仕事なくなっちゃうよという問題に通じてる。多分そんな事はない。

星の海に魂の帆をかけた女
星間ロマンス。マユリ様のアレとは逆に、客観時間で40年を主観時間たった1ヶ月で消費してでも男に会いに行く女。この場合本人にとって1ヶ月は相対性理論的に1ヶ月というわけでなく、実際に40年歳を取る。この頃の平均寿命は160年なので人生の大半というわけではないが、それでもその覚悟は凄まじいものがある。

鼠と竜のゲーム
1500000kmを2msecで移動して死を齎す竜(物理的に竜じゃないが)という恐ろしい存在も猫にかかれば鼠同然という、スミスの猫厨振りが窺える。人間なんかより絶対的に最高に猫の方が可愛いらしい。
その影響が回りまわってこんなブログのTOP絵にまで。いやあれは犬だけど。

燃える脳
外見の美しさによって人が惹き付けられることに疑問を持ち、本質的な美を見出す為に若返りを拒否する女。整形によって人生が変わるのなら美とは一体何なんだみたいな話。
その夫タリアーノ船長が、未来の航行技術の粋を集めた船の制御装置に匹敵する脳を燃焼させることによって、ひどい偶然の積み重なった事故から人々を救う様に痺れる。

スズタル中佐の犯罪と栄光
女自体が発癌性を持ったために、男だけの世界が完成。男が男を産むだけの世界とか嫌過ぎる。
スズタル中佐の危機を救うのはやっぱり猫。1秒足らずで200万年分の高度な文明を作り上げた猫。どんだけ猫好きなの。

黄金の船が――おお! おお! おお!
地球の危機を救うのは全長150000000kmの黄金の船。でもひたすらにでかいだけで何も出来ずただハッタリを効かす為だけに存在する。人類史上最大の張子の虎。デコイ。案山子。
なんだろうこの馬鹿さ加減は。すごく正しいと思う。

ママ・ヒットンのかわゆいキットンたち
ノーストリリア人の情報隠匿に関する警備体制は一部の隙もなく、殆ど狂気の領域。電波電波。一盗賊にどうにかできるレベルを遥かに超えている。もうやめてあげて。

アルファ・ラルファ大通り
人類補完機構によって完膚なきまでに完璧に完全に完成された世界。経済の概念など、現代の常識が何もかも失われて、ただお膳立てされた人生を歩む人々は滑稽に映る。
そんな中でも補完機構の外にある物を求め、幸福を模索する男女の様子には心温まるものが合った。



なんか読んでたら久々にRSがやりたくなってきた!
  1. 2009/06/22(月) 00:42:04|
  2. 小説
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