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最近読んだ小説

感。


ジスカルド・デッドエンド (泉和良)
またニートシリーズ。AMキャラ出てくるし比較的ゲームファン向けではある。
現実に狂信者いっぱい抱えてるから全く正しいんだけど、自分がちやほやされる様子をよく描けるなと思う。私だったら過剰に自己卑下しちゃいそう。皮肉じゃなく純粋にすごい。



ノーストリリア―人類補完機構 (コードウェイナー・スミス)
AMの元ネタ要素満載。むしろAM作品が全部スミスの二次創作作品に思えてくるレベル。
星が買えるレベルの金が動くサンタクララ薬が数百円で買えるとかどんなハイパーデフレだよ。

不老長寿を得た人間の寿命に関する感覚が興味深い。「昔の人間はたった400年ぽっちしか生きられない上に、病気や事故でその寿命さえ全うできない可能性があったなんて信じられない」とか言う。
現代の寿命だってDNAとか医学技術の都合上たまたまこの年数与えられてるだけで、天寿全うしたら幸福、若くして死んだら不幸、って決め付けるのおかしいよね。20年ぐらいで満足して死んでもいいし、80年程度で終わるなんてヤダヤダヤダヤダって思いながら死んでもいいはず。



トップランド 
トップラン&ランド完 (清涼院流水)

ラン6巻で1年だったのに対してランドは1巻1年だから、その年の出来事記述するのに分量取られて相応に密度低い。でも最終巻で色々すっきりした。
秘密屋もそうだったけど、最終巻なしに終わった扱いにしてた作者の正気を疑う。こちとらオチでわけのわからん狂人の戯言のようなことを言い出すのを期待して読んでるというのに。(つまりどっちにしても正気を疑う)



ミザリー (スティーブン・キング)
「巨女」「怪力」「精神異常」は欲張り過ぎだな。2つぐらいがいい。
「キエエエエエ」って叫びながら重症部位を全力で殴りつける場面がピーク。



殺人方程式 〈切断された死体の問題〉(綾辻 行人)
新興宗教の教主が特殊なお祈りスペースで双子入れ替わりとかなんか既視感あると思ったら、割と最近読んだ誰彼と同じだった。どっちも1989年発行で別に示し合わせたわけでもないらしい。私そんなミステリいっぱい読んでないし、この2冊も適当にタイトル買いしただけだよ。偶然ってあるものだな……。



奪取 (真保祐一)
犯罪のノウハウが満載小説。
この偽札作りの描写見るに、準備にかかる資金や労力の莫大さに対して、バレやすさや罰則が大きすぎて全然リスク・リターン釣り合ってないロマン犯罪すぎる。そこまでできる度胸やら知能やらあるなら真っ当な方法で起業したほうがいいだろうと思う。
だからこそある程度方法とか書いて出版しても大丈夫ってことで。



夏への扉 (ロバート・A・ハインライン) 
50年前の世界から想像する50年後(我々にとっての現代)の世界。これはこれで発行当時の読者とは違った読み方できて面白い。
作中でてくる日常生活送るの便利になりそうなものの中に、現代技術で実現できそうでも普及してないものがままある。技術は高速で進化しても、文化は世代交代を待たないとなかなか変わらないものだ。(電子書籍が出るとページをめくる感覚がどうのとかいう)
「そして未来はいずれにしろ過去にまさる。誰がなんと言おうと世界は日に日に良くなりつつあるのだ」「世の中にはいたずらに過去を懐かしがるスノッブどもがいる。(中略)僕はできれば、連中を、トウィッチェル博士のタイムマシンのテスト台にほうりこんで. 十二世紀あたりへぶっとばしてやるといいと思う」はすべての懐古厨に捧げたい文章。

全自動お掃除ロボットは、とりあえず動くものを作るだけなら簡単だろうだけど、例外が発生した時指示を仰ぐという仕様にすると、この世の99%は例外に当たることが問題になると思う。



水車館の殺人 (綾辻行人)
裏表紙に衝撃の結末がーって書いてあって、顔隠してる人がいて、現在と過去を交互に描写してるとなれば……。ever17を先にやったせいだ。
あらすじに結末書いちゃうのは、それによって減じる初見の衝撃よりも、まず興味持ってもらうことのほうがずっと重要ってことだろうね。



鬼獣伝 (菊地 秀行)
「鬼や妖怪なんて銃火器の前では雑魚同然だぜヒャッハアアアアア」って展開は素敵だと思う。
でも最終的に「銃火器とかゴミクズ。神通力最強」になったのでいまいち。



カタコンベ (神山祐右)
やっぱり江戸川乱歩賞受賞作は普通におもしろい以外特に思うところがない。
地底湖ダイブってプロが専用の装備しても危険なんだなあ。



飛行迷宮学園ダンゲロス-『蠍座の名探偵』- (架神恭介)
前作と密度は同じぐらいでページ数相応の満足度かな。前回の結末がなんというかどうしようもなかっただけに、案外ちゃんとタイトル通りにミステリしてるなーと思った。
約束された勝利の力好きだわ。メタ能力は強い。リュウセイさんヘアーは主人公の宿命か……。



蝿の王 (ゴールディング)
ベルゼブブがどうのって話じゃないのか。日本の小説に同タイトルであるみたいだけど。
世代と文化の隔絶もあるし三人称神視点とか超読みにくい。
(`・ω・´) < 狼煙を上げないと絶対に救助されないぞ!
(゜∀。)(゜∀。)(゜∀。) < 狼煙なんてどうでもいい。狩りをするんだ!従わない奴は殺す!焼き殺す!
炎(´;ω;`)炎 < うっ……
⊂二二( ^ω^)二⊃ < 炎が見えたから助けに来たよ
すばらしく皮肉な結末。



イニシエーション・ラブ (乾くるみ)
セックス・浮気・堕胎と単なる非常に俗っぽい恋愛物と見せかけて……
水車と同じく裏表紙に叙述って書いてあるからめちゃくちゃ疑いながら読んだけど、こっちは可能性に思い至らなくてラスト綺麗に決められてしまった。
年代明記せずに昭和を感じさせる物をそこかしこに配置してるのは違和感あったから、もうちょっとそこを考えるべきだったか。時間の区切りを曖昧にされると難しい。



デンデラ (佐藤友哉)
登場人物50人全員女と言うと聞こえはいいけどマリみてのような話ではなく。
とりあえず登場人物紹介のページのインパクトは凄まじいものがある。泥臭い現実的な話のようで、展開やキャラ付けはファンタジックな印象。
ぜひとも作画・漫☆画太郎でコミカライズして欲しい話。



アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (フィリップ・K・ディック)
専用の質疑応答テストを用いてどうにか人間かどうか判別できるアンドロイドと、機械のダイヤルを合わせるだけで強制的に感情を変化させられる生身の人間、一体どちらが自我を持った生物なのか。
ここでは他の生物に感情移入して傷つけることを躊躇するのが人間、というのが結論らしい。人間が人間でなかったり、機械が人間だったりしてしまうような……。



象の背中 (秋元康)
こんなん絶対泣けるだろと思ったけど、意外と泣けなかった。アニメ版のほうが凝縮されててよかった。
余命宣告後に人は何を思うってやりつくされてる感あるから難しいのかも。この作品で一番の特色は浮気に対する考え方か。肯定的というわけでもなく絶対悪というわけでもなく、まあそういうこともあるかという気がする。銀と金の森田は「愛人すら作れないような人間はクソ」とか言ってたな。




BLEACH

Spirits Are Forever With You (成田良悟)

普通なら回避したくなるであろう「卍解未習得一護に本気出して負けた剣八よっわwww」っていう最大のタブーに真っ向から斬り込んだ気概に惚れそう。それに対するあとがきでの師匠の反応も必見。
それでいて原作強キャラの格落としたりもしてないし、数値インフレの厨二バトルしてるし、文句の付け所がない。

原作では廃病院でも藍染戦でも精神論でしか活躍できなかった観音寺がしっかり主人公してる。無能力者が強敵を倒す展開は熱い。川尻早人vs吉良吉影とか好き。

ネタを拾ってくる範囲が現世・尸魂界・虚圏だけでなく、アニメオリジナル(アシド・侵軍編)や劇場版オリジナル(DDR・地獄編)まで広範に渡っていて、知っていればニヤリとさせられる場面が多い。
流れ上、鬼巌城に心酔していたと思われる一之瀬に触れてあげてもいいんじゃないかと思ったけど、やっぱりバウント編は黒歴史なのか。アニメ正史なのに……。




The Death Save The Strawberry (松原 真琴)

成田がはっちゃけてたのに対してこっちは大人しく順当に補完してた感じ。

人付き合い苦手なルキアさんが副隊長として隊に馴染んでいくさまが微笑ましい。ちょっと前まで朽木家の飼い猫だとか毎晩にゃんにゃんさせられているんだとか、けしからん妄想に耽るゲス野郎ばっかりだったのに、これも一護による尸魂界の意識改革の結果か……。
断髪の理由は、兄様が変態ではないことに気付いたからとのこと。……果たして本当にそうかな? 必死に性欲を抑制しているだけなのでは?(ゲス顔)

雛森の藍染トラウマ解消の解釈がよかった。嘘ついてたからと言って藍染の存在は幻影だったわけじゃなく、嘘ついてた藍染が現実に存在したわけじゃんと。
  1. 2012/09/07(金) 06:01:51|
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